Kindleペーパーバックの作り方:判型・余白・本文PDFの整え方を順に解説
ご利用の前に
- KDP の規格や審査の基準は変わることがあります。出版の前に、KDP の公式ヘルプで最新の内容をご確認ください。
- クミポは本文の組版のサービスです。KDP の審査に通ることを保証するものではありません。
Kindleのペーパーバックは、KDPで「判型を決める→規格に合わせて本文を組む→ファイルを保存する→アップロードしてPrint Previewerで確かめる→出版の手続きへ進む」という順で作ります。いちばんつまずきやすいのは本文ファイルです。判型、ページ数に応じたノド(内側)の余白、フォントの埋め込みを、KDP公式ヘルプの値に合わせることが要点になります。
この記事では、KDP公式ヘルプに書かれている数値をもとに、小説やエッセイの本文を紙の本にするまでの考え方を順に説明します。規格は変わることがあるため、作業の前にKDPのヘルプで最新の内容を確かめてください。
ペーパーバックができるまでの流れ
電子書籍とちがい、紙の本は「印刷して裁断する」ことが前提です。そのため、本文の仕上がりサイズと余白を先に決めてから組むのが基本です。大まかな流れは次のとおりです。
- 判型(トリムサイズ)と、裁ち落としを使うかどうかを決める
- ページ数の見込みから余白を決め、本文を組む
- フォントを埋め込み、本文ファイルを保存する
- KDPに本文と表紙のファイルをアップロードし、Print Previewerで仕上がりとエラーを確かめる
- 必要に応じて校正用の見本(proof copy)を注文して紙で確かめ、出版の手続きへ進む
KDPのヘルプによると、Print Previewerは出版前に本の見た目を確認でき、送信前に直すべきエラーも確認します。送信後には本文と表紙のファイルが人の手で確認され、問題があればメールで修正の案内が届くとされています。手順の細かな画面や項目名は、KDPのヘルプで確かめてください。
判型と裁ち落としを決める
判型(トリムサイズ)は、印刷された本の幅と高さのことです。KDPのヘルプでは、米国のペーパーバックで最も一般的な判型は6 x 9インチ(152.4 x 228.6 mm)だと説明されています。判型によって1ページに入る文字の量が変わり、ページ数や余白の条件にも響くため、最初に決めておくと後の手戻りが少なくなります。
裁ち落としは、写真や色の帯などをページの端まで印刷したいときに使う設定です。裁ち落としありの場合、すべてのページは天・地・外側の端から0.125インチ(3.2 mm)を切り落として仕上がりサイズにそろえられます。そのぶん本文ファイルのページサイズは大きく作る必要があり、判型が6 x 9インチなら、ページサイズは6.125 x 9.25インチに設定すると案内されています。また、端まで届く画像や要素がある場合、本文はPDFでアップロードする必要があります。
文字だけで組む小説やエッセイでは、端まで印刷する要素がなければ裁ち落としなしで作ることが多いでしょう。どちらにするかで余白の最小値が変わるため、ここで決めておきます。
余白はページ数で変わる:ノドの最小値
余白は、製本や裁断のときに文字が切れたり、ページからはみ出したりするのを防ぐためのものです。KDPのヘルプでは、天・地・外側の余白は裁ち落としなしで最低0.25インチ、裁ち落としありで最低0.375インチ(9.6 mm)とされています。
注意したいのはノド(綴じる側の内側の余白)です。ページ数が増えて本が厚くなるほど、綴じた側が開きにくくなるため、必要な最小値が大きくなります。
| ページ数 | ノド(内側)の最小値 |
|---|---|
| 24〜150ページ | 0.375インチ(9.6 mm) |
| 151〜300ページ | 0.5インチ(12.7 mm) |
| 301〜500ページ | 0.625インチ(15.9 mm) |
| 501〜700ページ | 0.75インチ(19.1 mm) |
| 701〜828ページ | 0.875インチ(22.3 mm) |
この表は最小値です。読みやすさを考えて、実際には少し広めにとることもよくあります。原稿に手を入れてページ数が区切りをまたぐと、ノドの最小値も変わります。最後にページ数を確かめてから余白を見直すと安心です。
計算例
判型6 x 9インチ、裁ち落としなし、本文200ページの本で、余白をすべて最小値にした場合の版面(文字を置ける範囲)の最大の大きさです。
- ノド:151〜300ページなので0.5インチ
- 天・地・外側:裁ち落としなしなので各0.25インチ
- 版面の幅:6 − 0.5 − 0.25 = 5.25インチ
- 版面の高さ:9 − 0.25 − 0.25 = 8.5インチ
実際の本では、ノンブル(ページ番号)や柱を置く場所、読みやすさも考えて、これより内側に版面をとるのが一般的です。
本文ファイルの保存形式とフォント
KDPのヘルプによると、裁ち落としがない本なら、本文はPDF、DOC、DOCX、RTF、HTML、TXTのいずれかでアップロードできます。ただし、仕上がりを自分で細かく決めたい場合は、組み上がった状態をそのまま渡せるPDFが扱いやすいでしょう。PDFで渡すときは、PDF/X形式が使われ、なかでもPDF/X-1aが推奨されると書かれています。
本文ファイルで確かめておきたい主な点は次のとおりです。
- フォントの埋め込み:提出前に、元のファイルで全てのフォントを埋め込むよう案内されています。
- 文字の大きさ:本文の最小の文字サイズは7ポイントです。
- 画像の解像度:画像は少なくとも300 DPIが必要とされています。
- ページ数:最小は24ページで、最大はインク・用紙・判型の組み合わせで変わります。
- ページ番号と白紙:ページ番号が順番どおりに並んでいること、冒頭や途中で白紙のページが4ページを超えて続かないことが求められます。
白紙のページが多すぎることは、よくある不備の一つとして挙げられています。章の始まりをそろえるために白紙を入れるときは、続けて入れすぎていないか確かめましょう。
縦書きの小説・エッセイで気をつけたいこと
日本語の小説やエッセイを縦書きで組む場合は、横書きとは別の点にも気を配る必要があります。縦書きの本は右側で綴じるため、横書きの本とはノドの位置が左右逆になります。どちらの側を綴じるのか本文ファイルとKDPの設定がずれると、余白の広い側と狭い側が入れ替わってしまうおそれがあります。
また、縦書きの行の中で数字や英字を横に並べる縦中横、漢字の読みを示すルビ、句読点やかっこなどの約物は、組み方しだいで文字が版面の外に出たり、行の長さが乱れたりしやすい部分です。ルビが行の端で余白側に飛び出していないか、行頭や行末に約物が不自然に残っていないかを、PDFにしてから全ページを見て確かめると安心です。
縦書き・横書きのどちらでも、余白の最小値やフォントの埋め込みといったKDPの規格は同じように守る必要があります。見た目を整えることと、規格に合わせることの両方を確かめましょう。
アップロード後に確かめること
本文と表紙をアップロードしたら、Print Previewerで仕上がりを確認します。KDPのヘルプでは、Print Previewerが送信前に直すべきエラーも確認すると説明されています。指摘が出たときは、本文ファイルを直してから作り直します。
ファイルを差し替えるときは注意が必要です。新しいファイルをアップロードすると、以前の版はダウンロードできなくなると書かれています。差し替える前に、今のファイルを手元に保存しておくよう勧められています。
画面上の確認だけで不安なときは、校正用の見本(proof copy)を注文して、紙で文字の大きさやノドの開き具合を見る方法もあります。送信後にも人の手による確認があり、問題が見つかればメールで案内が届きます。規格に合わせて作ることは大切ですが、それだけで出版が認められるとは限りません。迷う点は、KDPのヘルプや問い合わせ窓口で確かめてください。
よくある質問
Kindleのペーパーバックは、まず何から決めればよいですか?
最初に判型(トリムサイズ)と、裁ち落としを使うかどうかを決めます。判型によって1ページの文字量や余白の条件が変わるためです。
ノド(内側)の余白はどれくらい必要ですか?
KDPのヘルプでは、ページ数によって最小値が変わります。たとえば24〜150ページなら0.375インチ(9.6 mm)、151〜300ページなら0.5インチ(12.7 mm)です。
本文はPDFでなければいけませんか?
裁ち落としがない本なら、PDFのほかDOC、DOCX、RTF、HTML、TXTでもアップロードできます。端まで届く画像や要素がある場合は、PDFでアップロードする必要があります。
本文ファイルではフォントについて何に気をつければよいですか?
提出前に全てのフォントを埋め込むよう案内されています。本文の最小の文字サイズは7ポイントです。
アップロードした後はどう確認すればよいですか?
Print Previewerで仕上がりと、送信前に直すべきエラーを確認します。必要なら校正用の見本(proof copy)を注文して、紙で確かめることもできます。
出典
- Set Trim Size, Bleed, and Margins(Amazon Kindle Direct Publishing(KDPヘルプ)・2026年10月閲覧)
- Paperback Submission Guidelines(Amazon Kindle Direct Publishing(KDPヘルプ)・2026年10月閲覧)
- Save Your Manuscript File(Amazon Kindle Direct Publishing(KDPヘルプ)・2026年10月閲覧)
- Upload and Preview Book Content(Amazon Kindle Direct Publishing(KDPヘルプ)・2026年10月閲覧)
出典の確認日:2026年10月13日